南アルプスは中生代末(約6〜7千万年前)の地層が隆起してできた山脈で、ほとんどが堆積岩からなる。この山塊には日本第2位の標高を持つ北岳(3192m)をはじめ、3000mを越す山が数多くある。南アルプスの森林限界は平均気温、降雨・降雪量などの気象条件により約2800m以上であり、森林限界の位置は北アルプスに比べ高い標高に位置している。
北岳や荒川三山周辺では多様性に富んだ高山植物からなる「お花畑」が数多く見られ、キタダケソウやアカイシリンドウなど山名のつけられた固有種も多く生育している。また、チョウノスケソウやムカゴトラノオなど南アルプスを分布の南限とする高山植物も多く生育している。
南アルプスは赤石山系に属し、南北150km、東西40〜70kmにおよぶ、日本を代表する山脈である。中生代末(約6〜7千万年前)に堆積した地層が新第三紀(約2,400万年前〜)以降に急激に隆起してできた山脈で、砂岩や泥岩などの堆積岩を主体とし、火成岩の山は少ない。
南アルプス北部の仙丈ヶ岳・北岳を中心とした地域には典型的な氷河地形が存在する。また、南アルプスのほぼ中央部に当たる悪沢岳・荒川岳(中岳・前岳)・赤石岳(3,120m)の周辺にも氷河地形は存在し、それらは明瞭な氷河地形の形態を残しているものとしては、日本列島の南限にあたるといわれている。